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お勧めをください、へのお勧め

2017年6月26日 at 08:00

先日、外部でテイスティング講座を担当した際、以下のような質問を受けました。

「お勧めを下さい、と言われたらどうすればいいですか?」
「店で出しているものは全部お勧めだし・・・。田中先生はどう答えてますか?」

うーむいい質問ですw

日本酒バー・ELLAS・菊姫・鶴乃里

日本酒バー・ELLAS

確かにELLASでは私が全ての日本酒を仕入れ・管理しているので、お勧めしたくない日本酒は一本もありません(笑)

しかーし!
「お勧めはどんな時でもあります」
とお答えしました。

例えば、スタッフがお客様に単純に
「このお酒はお勧めです」
と伝えたとしたら、私はちょっと意地悪に聞き返します。

「お勧めってどういうことかしら・・・?」と。
(※若干誇張表現あり〼)

お勧め、という言葉は単独では存在しません。

「今の季節しか楽しめない旬の味覚です」
「硬い物が苦手でしたら、こちらはふんわり仕上げておりますのでお勧めです」
「本日のお肉にはスパイシーな熟成がよく合います」
「今ご注文いただいている他にもう一品、とおっしゃるのなら(食材や調理法が)かぶらないこちらは如何でしょうか?」

といった「理由」が知りたいのです。

何の理由もなしのお勧めは「在庫処理」と思われても仕方がありません。

季節、お客様の状況(時間の余裕や健康状態)、その時点で既に召し上がられている料理や日本酒、人数、年齢、お客様のイベント(誕生日や記念日)の有無、等々。
要素は沢山ありますので、お勧めする理由が言えない、と言うのは職務放棄と同じです。

なにかチョイスのヒントを投げかけるのは提供者の義務であり、それを考えるのがこの仕事の楽しいところでもあります。
「詳しい」と「扱っている」の違いとでもいいましょうか、トレンドや希少性を追いかけるマニアと、提供者はこの点で違いがでます。(とはいえ知識は多いほうがいいのですが・汗)

そして、そこが腕の見せ所でもある・・・。
というと随分偉そうですが、私もまだまだ勉強中の身です。

ただ提供者としては、自分自身楽しみながら、しっかりお勧めしていきたいと思っています。

◆本日の名言
お勧めをください 涙の数だけ(違)
/ © 「メモリーグラス」 堀江 淳 (1981)