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ヒントは謎の上から目線

2019年11月4日 at 12:55

日本橋高島屋さんトークショー、ご来場誠にありがとうございました。
今回は蔵元さんとご一緒ではなく単独トークライブ(違)な上に、午前中は豪雨でお客様も少なかったので、誰も来ないかも・・・と騒いでいました。
さらには、トーク会場の斜め前がSake’s Kitchenブースで、飲みながら見れるというベストポジションだったため、トークショーに来ずブースで飲み続けて下さるお客様が続出。トークショー来てくださいよ!!・・・ってありがたいことですが。ありがとうございます(←棒読み・笑)

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が!!結果満席で立ち見も。ありがたいことです。本当に感謝です。

トークのお題目は「生活に溶けるペアリング-Sake × Cheese-」と題して、謎の上から目線「あぁはいはい」が最高の誉め言葉である、というお話をw。

以下概要です。ちょっと長くなりますが・・・

いくらペアリングが素晴らしいといっても、酒も調味料も食材も、つくる環境も、それを味わって下さる人も、いつもどこか微妙に変わっています。だから些細な理由で、組合せを決めた瞬間より、香味が軽快になったり、酸味が強まったりしたら、その時その時に頑張った着地点なんてものは、何の価値もないと。

そういうことを何度か経験するうちに、ペアリングってこんなことなのかな?と少し凹んだりしていたのですが、その頃はまだ、自分にしか出せない組合せや味、みたいなものが、きっとあるんじゃないか、と気を張っていたのだと思います。

でもある時、そんなものないんじゃないかな?!と思って。

むしろいろんな人が「あぁはいはい」「そう、それそれ」と、昔からその香味を「知っていたかのように納得する美味しさ」というのが、きっとあるんじゃないか、と思うようになって。
そしてそれは自分じゃなくて、相手方にあると。

つまり前出の謎の上から目線w
一度も見たことも食べたこともないのに

「そうこれこれ。これ食べたかったんだよね」
「でもそれ一度もお出したことないんですが・・・」
「いやこれ食べたかったんだよ」

っていうのが、最高の誉め言葉なんじゃないかなと。

ただ、「あぁはいはい」「そうこれこれ」につなげるには、相手が「どんな味なんだろう」とか「きっと美味しいはず」とか、意識して思わずに、無意識の状態で「美味しいだろうな」と感じることが必要です。なので、インパクトを削ぎ落として普通にする、という意味で、ハードルは上がります。

そこに驚きがないくらい自然にうまくいっているという状態にもっていければいいけれど、削ぎ落としすぎて「チーズはそのままお出しするのが一番合うんですよ」と言っても、それは理屈にしかならない場合もあるというか。
「組合せにお金出してるんだよ」「仕事してないよね」っていわれてしまう場合もありますよね。だから付加価値を求める人の期待に応えようとせず、「あぁはいはい道」(もっといい名前を考えようw)を貫くのは結構勇気がいります。だって「普通じゃん」って言われるの怖いし(笑)。

でも普通って、実は調度いい、心地いいい、ってことなので、普通ってすごいことなんだけどなぁと最近よく考えています。普通がいつもより少しいい普通になると、生活は良くなっていくわけだし。

というわけで、今回お伝えしたかったのはチーズと日本酒を合わせるっていうこと自体が「生活に溶ける」ようになってほしいということ。なので、最中、梅、甘納豆、など日本の「ふつう」と組み合わせて「新しいふつう」を見つけてもらえるような、ペアリングにしてみました。

マニアックではなく普通、限定より定番、を目指すのは難しい。これはペアリングに限ったことではなくて、お酒をつくっている人も、何かをつくりだす、というクリエイティブな仕事をしている人たちは皆感じていることなのかもしれません。
しかしそこを目指すとき、無意識の人間の営みに隠れている「謎の上から目線」にヒントがある!と私は思っているので、

「あぁはいはい!」

という感じにスパークする感触を、私はこれからも楽しんで、追及していきたいなーと思います。

Special Thanks xxx
ありがとうございました!


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