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限定酒志向に思うこと

2016年9月24日 at 14:23

「あの雑誌に載っている希少銘柄ありますか?」
「ELLASさんには珍しい限定酒も置いているんでしょう?」
とよく聞かれるのですが、

「そういう時もあります。」
と、お答えせざるを得ません。

ELLASでは料理と合わせて相乗するかどうか、
というのが最重要課題ですので、
限定かどうか、をあまり意識して仕入れていないからです。

最近頻繁に上記のような質問をされるため、
限定酒志向は益々高まっているなぁ、と少し気がかりです。

つくり手が新たなトライアルをされるのは素晴らしい事ですし、
限定的なブランディングも、ビジネスとして当然アリだと思います。
私のような提供者としても、限定酒は集客しやすい商材であるため、
つい、そこに頼る時もありますが・・・。

ただ問題なのは、限定酒志向が高まりすぎると、
「一度でも飲んだことあるお酒はいらない」とか、
「大手蔵のお酒はもう古い」とか、
香味ではなく、トレンドが選択基準になってしまう事です。

講座でも頻繁にお伝えしていますが、
限定酒を追いかけすぎると
評価軸がブレるので注意しなくてはなりません。

特に提供側は、自分が評価の軸とする日本酒を
意識してテイスティングしておかないと、
頭の中で香味マップを完成できません。
軸をしっかりと持ち、香味マップを広く保つためにも、
軸と類似するお酒だけでなく、
大手といわれる有名銘柄の大吟醸から本醸造までの幅を、
定期的に味わっておくことが必要です。

「○○を飲んだことがある」、という一時の経験よりも、
日々のトレーニングをルーチンワークとして意識した方が、
限定酒にもしっかりと向き合えるのではないかな、と思います。

名古屋・栄の日本酒バー・ELLAS

名古屋・栄の日本酒バー・ELLAS

以前、某メーカー様が、
「ポテチあっての、じゃがりこ」
とおっしゃっていましたが、全くその通りなんですね(笑)。

思い起こすと、当たり前のように、昔から私の傍にあったポテチ。(注:以下若干暴走します)
おさつスナックに出会い、
じゃがりこに出会った頃には、
最初の頃の情熱は冷めてしまっていました。

その代わり、きっといつまでも一緒にいて飽きないだろうなぁ、
嫌いじゃないなぁ、ぐらいの
暖かい気持ちに変わっていました。

そして歳を重ね、この人を失いたくないという感情に消化する。

長く続く関係というのは、そんな感じではないでしょうか。

軸にできるような、長い関係を築ける日本酒というのは、
早々出会えるものではありません。
情熱は一時の事、残りは相手に抱いた敬意で持続していくものです。

誰もが知る大手蔵の日本酒でも、温度帯や合わせる料理で全く違う顔が見えます。
熟成によって改めて、その実力を思い知らされる事も多いです。

久しぶりに、ポテチを食べてみようか、と思う今日この頃です。

◆今日の名言
俺のこころを ささえてくれる
やさしい人を さがしていたんだよ / ©「倖せさがして」 五木ひろし(1996)