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NHK文化センター特別企画「麹×日本酒」レポート

2016年12月22日 at 15:36

今回のNHK文化センター大人の日本酒講座は、特別企画「麹×日本酒」です。

日本酒に詳しくなると、精米歩合や酵母などのスペックに関心が向かうものです。
しかし、日本酒の原料は、米と米麹。
酒造りの工程では昔から「一に麹、二にモト、三に造り」と言われ、麹づくりが第一、と重視されてきました。
それほど麹の良否によって酒の品質が大きく左右されるにもかかわらず、私達は麹が実際にどんな役割を果たしているのか、あまり理解できていません。
そこで麹について、みっちりとレクチャーいただこう!!と、
なんと!麴屋三左衛門 代表取締役 村井裕一郎氏にご登壇いただきました。

大人の日本酒講座_糀屋三左衛門_代表取締役_村井裕一郎氏

糀屋三左衛門 代表取締役 村井裕一郎氏

日本酒だけでなく、味噌、醤油など醸造の要である麹。
糀屋三左衛門さんは、室町時代より麹をビジネスとしてきた世界最古のバイオメーカー。そんな会社が愛知にあるって、ご存知でしたか!?(って全国シェア8割のトップメーカーですから、業界の方は皆知ってますが・・・汗)
うーん、さすが醸造王国・愛知♡ですよね!

さて、まずは種麹のサンプル。

大人の日本酒講座_種麹サンプル

種麹サンプル

実際に蔵人さんがフリフリしているシーンを見たことはあっても、なかなか実物を見ることはできないので貴重な機会でした。一袋でどれ位のお酒が造れるか、などのご説明に皆さん興味津々。「食べられます」のお言葉に食べてみる方も。

つづいて甘酒の試飲。

大人の日本酒講座_麹×日本酒_002甘酒

甘酒三種飲み比べ

左から糀屋三左衛門さん、味噌蔵さん、酒蔵さんの甘酒。
単純に甘酒といえど、香味の違いに驚かされます。
味噌蔵さんの甘酒は大豆を分解するほどの酵素を出す麹が使用されているため、ボリューム感があり甘み強め、酒蔵さんの甘酒は旨味を出しすぎない麹が使用されているため、比較的スッキリとした味わい、などといったように、各蔵の基盤製品に使用する麹で作るため、その違いが出る、との事。
特筆すべきは糀屋三左衛門さんの甘酒。
さすがバイオメーカー。「甘酒用に開発した麹」を使用されているのでかなり好評でした。米こうじ本来の自然の甘みで、スッと消えるようなテクスチャー。「甘酒嫌いだけどこれは美味しい!」と生徒さん談。

麹による香味の違いを体験した後は、麹について体系的にレクチャー。

大人の日本酒講座_麹×日本酒_講義風景

麹×日本酒 講義風景

大人の日本酒講座_麹×日本酒_002甘酒

種麹の製造過程など

実際に杜氏さんが発注するパンフレットなども拝見しながら、アカデミックな講義をしていただきました。
これまで何となく理解しているような?していないような?という部分についても、皆さんしっかり質問され、村井氏は質問攻めに(笑)。

大人の日本酒講座_麹×日本酒_質問タイム

質問に丁寧にお答えくださる村井氏

村井氏は「そんなに答えてくれるの?」というの程、真摯にご説明下さり、大変充実した講義となりました。
そしてごめんなさい、日本酒の写真がないのですが(滝汗・またかよ!)
合わせたお料理はこちら

大人の日本酒講座_麹×日本酒_フードペアリング

麹料理とのペアリング

1.大根と豚肉の甘酒煮
2.甘酒の玉子焼
3.砂肝の塩麹ニンニク炒め
4.塩麹にぎり 新海苔で♡

大人の日本酒講座_麹と甘酒糀屋三左衛門さんの塩麹と甘酒を使用

大人の日本酒講座_麹×日本酒_新海苔

でました新海苔!愛知の海苔についてはこちらをご覧ください。

召し上がっていただいた方には、甘酒や塩麹の深みのある旨味と日本酒の相性の良さをご体験いただけたのではないかと思います。栄養満点、美肌にも嬉しいwのは言うまでもありませんが、この深みのある旨味は、とても心地よく感じられ、癖になる味わいです。

何だか心地よいと思う理由は、私(人間)が意図してつけた味ではないからではないか、と村井氏の講義を拝聴しながら考えました。
例えば塩こうじにぎりでいうと、私はご飯を炊いただけ。でも普通の塩おむすびと違い、優しく、奥行きのある塩味です。
それは塩麹が作り出したもので、そこには小さな自然が生きています。自然だから、変化するし、全く同じ味にはならない。(とはいえ、時間が経っても、冷めても美味しくいただけますが。)
人間も自然の一部なので、なじむというか、心地よいと感じるのではないかなぁと思います。

 
日本酒や調味料を作るのに欠かせない麹は、身近にありながら、その存在はあまり意識されていないかもしれません。
しかし、有史以前から現象として知られていた発酵を、意図的に発生させ、利用し、経験的工夫をを凝らしてきて、今日の醸造文化があります。(そして愛知は醸造王国、ってしつこいw)
それは、麴屋三左衛門さんのようなメーカーによって産業的に確立し、支えられ、現在に至るまで連綿と続いているのだなぁ・・・と感慨深い講義でした。

麹にスポットを当てながら、日本酒の香味との関連性まで、詳細に言及してくださった糀屋三左衛門 代表取締役 村井裕一郎様、本当にありがとうございました!!

麹を知ると日本酒への理解がより深まるし、工夫次第で料理の幅も広がります。
ご自宅でも麹×日本酒、楽しんでいただけたら嬉しいです。

追記
あの、超美味しい糀屋三左衛門さんの甘酒は、中日ビル地下1階「ピピッと!あいち」で買えるそうですよっ!奥様!!